アフィリエイターが払う税金の実際例を計算&シミュレーションしてみます。
参考:アフィリエイターが納めないといけない税金の種類【6つ】
計算式
それぞれの税金の計算式は、(ザックリと)以下のような感じになります。
- 所得税 = 課税所得 × 所得税率
- 住民税 = 課税所得 × 10%
- 国民健康保険料 = 所得 × 保険料率
- 国民年金保険料 = 196,560円/年(16,380円/月 × 12ヶ月)※定額
- 個人事業税 = (所得 ー 290万)× 個人事業税率
- 消費税 = 受け取った消費税 ー 支払った消費税(「原則課税」の場合)
シミュレーション&計算
アフィリエイト3年目のSさんの、2016年度のアフィリエイト事業を(ザックリと)以下のように仮定します。
- Sさんプロフ:
- 職業:専業アフィリエイター
- 住居:大阪市
- 結婚歴:独身
- 備考:2014年度の売上が1,000万を超えている
- 2016年度の収支内訳:
- アフィリエイト収入(売上):1,000万
- 経費:100万
- 所得控除:88万(基礎控除38万+社会保険料控除50万)
- 申告方法:青色(65万)
- 所得:900万(1,000万ー100万)
- 課税所得:747万(900万ー88万ー65万)
これらから、各税金額をザックリ算出すると
- 所得税:108万円
- 住民税:74万円
- 国民健康保険料:73万円
- 国民年金:19万円
- 個人事業税:30万円
- 消費税:40万円
合計:344万円
という感じになります。
(所得が「900万」で、税金が「344万」だから、ほぼ4割が税金で持って行かれる計算。)
所得税
所得税は、以下の表から算出できます。
![]() |
▲所得税の税率(平成27年分以降) 引用:No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 |
課税所得が「747万」の場合、
所得税 = 747万円 × 23% ー 63.6万円 = 108.21万円
という感じになります。
住民税
所得税は、(自治体によって多少の上下があるかもしれんが)全国で一律10%。
なので、課税所得が「747万」の場合、
住民税 = 747万円 × 10% = 74.7万円
という感じになります。
国民健康保険料
国民健康保険料は、各自治体が勝手に決めてるものなので、自治体によって全く違います。
各自治体のホームページに行けば、「国民健康保険料_算出.xls」みたいなエクセルファイルが用意されてると思うので、それを使って計算します。
例えば大阪市の場合、このページ(大阪市市民の方へ 国民健康保険料の計算方法等)からエクセルファイルをダウンロードできます。
それで、計算してみると↓、
![]() |
▲「8,350,000円」=「900万(所得) ー 65万(青色申告特別控除)」 |
「73万/年」になります。
ちなみに「73万/年」は国保の上限です。(所得が「650万」くらいで上限に達します)
国民健康保険料は、「課税所得」に対してじゃなく「所得」対して掛けられるので、「経費を使う」くらいしか節税の余地がありません。
なので、中途半端に稼ぎがある(所得400~800万くらい)は、めちゃくちゃ高い保険料を払わせられます。
国民年金保険料
国民年金は、所得に関わらず誰でも定額なので、計算する必要はありません。
例えば、2016年度(平成28年)の場合、一括払いすると「191,030円」になります↓。
![]() |
▲引用:国民年金前納割引制度(口座振替 前納)について|日本年金機構 |
個人事業税
個人事業税は、290万以上の所得に対して掛かる税金。
所得が「900万」の場合、
個人事業税 = (900万 ー 290万)× 5% = 30.5万 ※アフィリエイトの場合、税率5%。
という感じになります。
「個人事業税」は「国民年金保険料」と違って、「青色申告特別控除(65万)」が適用されません。
(その代わりに290万控除があります)

消費税
消費税は、課税売上が1,000万を超えた場合2年後に納める必要があります。
なのでこの場合、「Sさんの2014年の課税売上が「1,000万」を超えているか」が、消費税が掛かるかのポイントになります。
Sさんの2014年の売上は1,000万を超えていると仮定しているので、2016年度は消費税を払わなくてはいけません。
ちなみに、消費税を納める義務がある事業者のことを「課税事業者」と呼びます。
なのでこの場合、Sさんは2016年から「課税事業者」ということになります。
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消費税を納める方法として
- 原則課税
- 簡易課税
の2種類がありますが、ここでは「簡易課税」で納めるものとして計算してみます。
アフィリエイトの場合は、経費の割合がめちゃくちゃ少ないので「簡易課税」で納めた方が得するし、確定申告が格段に楽ちんなので、「簡易課税」を選択した方が良いです。
ちなみに、「簡易課税」を選択する場合は、税務署に事前に申請しないとダメなので注意。
参考:課税事業者になって簡易課税を選択するために → 「消費税課税事業者届出書」と「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出してきた
「簡易課税」での「消費税」は以下の式↓で求められます。
消費税 = (課税売上 × 消費税) ー (課税売上 × 消費税 ×みなし仕入れ率)
※「みなし仕入れ率」は、アフィリエイトの場合「サービス業」にあたるので「50%」
数値を当てはめると↓、
消費税 =(1,000万 × 8%) ー (1,000万 × 8% × 50%) =80万 ー 40万 =40万
という感じになります。
つまり、アフィリエイトの場合は、課税売上の4%を消費税で持って行かれるということ。
ここでは分かりやすいように、収入の全ての「課税売上」(1,000万)としていますが、Google Adsenseなどの「非課税売上」がある場合は、「課税売上」には含めません。
(例えば、
- A8net:900万/年
- Google Adsense:100万/年
という場合、課税売上となるのは「900万」だけ。)
節税してみる
①所得控除を上げて計算し直す
税金額が高すぎるので
- 小規模企業共済:84万/年
- 確定拠出年金:81.6万/年
- ふるさと納税:20万/年
- 地震保険料控除:5万/年
- 生命保険料控除:12万/年
という感じで、所得控除を「200万」増やして(ザックリ)計算し直してみると
- 所得税:108万円 → 67万円(▲41万)
- 住民税:74万円 → 54万円(▲20万)
- 国民健康保険料:73万円
- 国民年金:19万円
- 個人事業税:30万円
- 消費税:40万円
- 合計:344万円 → 283万円(▲61万)
という感じになります。
このように、所得控除を「200万」増やすと「61万」も節税できます。(元々の所得によりますが)
なので、金に余裕があるなら、「所得控除」を出来るだけ上げるようにした方が良いです。

②経費を使いまくる
税金額が高すぎるので
- 経費:100万 → 300万
という感じで、経費を「200万」増やして(ザックリ)計算し直してみると
- 所得税:108万円 → 67万円(▲41万)
- 住民税:74万円 → 54万円(▲20万)
- 国民健康保険料:73万円 → 72万円(▲1万)
- 国民年金:19万円
- 個人事業税:30万円 → 20万円(▲10万)
- 消費税:40万円
- 合計:344万円 → 272万円(▲72万)
という感じになります。
先ほどの「所得控除」と同じく「200万」だけど、「所得控除」で増やすより「経費」で使った方が節税効果が高い。
なので、なるべく経費は使った方が良い。

まとめ
・計算式が分かると、「何を減らせば節税できるのか」が分かるから、覚えた方が良いかもしれない
・所得が高くなるに連れて、税金の額もグンと上がってくるから、来年の税金分をしっかり貯金としかないと確実に死ぬ
・課税所得が「600万」とかを超えた時点で、税理士に相談した方が良いかもしれんね!
・「経費」はなるべく使え!「所得控除」もなるべく増やせ!
おわり
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