個人事業主なら、他人に何かを「外注」(金を払って何かをやってもらう)することがあると思います。
例えば、僕はアフィリエイターなんですが、他人に記事を書いてもらうことがあります。
その場合、「記事代」として「外注費」を支払います。
この時、払う人の状況によっては、
- 「扶養」から抜けちゃう!
- 「住民税の申告」が必要になっちゃう!
- 「確定申告」が必要になっちゃう!
みたいなことが起こり得えます。
もし、身近な人(兄弟,両親,友達,彼女,彼氏,知り合いなど)に外注する際は、その人に税制上のデメリットが起こらないように、気をつけてあげましょう。
外注費の所得区分は?
外注費として貰ったお金は、(外注さんから見れば)基本的には「雑所得」となります。
例えば、僕みたいに記事を書いてもらう場合は、↓の「原稿料」ってのに該当します。
雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。
引用元URL:No.1500 雑所得|所得税|国税庁
だから「一時所得」みたいに「50万控除」もない。普通に課税されちゃう。
収入がない人(学生、無職など)に外注する場合
(基本的に)収入がない人が使える「所得控除」は
- 基礎控除「38万」(住民税は「33万」)
- 給与所得控除「65万」
の2つだけ。(場合によっては他にも使えますが)
この2つを超える場合は、
- 「住民税の申告」が必要だったり
- 「扶養」から抜けちゃったり
- 「確定申告」が必要になったり
ということになってしまうので、これを超える金額を外注してはいけない。
分かりやすいように例を出します↓。
例①:
「A」という学生に「10万円」の外注費を払ったとする。
この時、
- 「A」のバイトの収入が「88万円」以下なら・・・
→ 何も問題なし!(「(88-65)+(10-33)=0」だから)
- 「A」のバイトの収入が「88万円」超過なら・・・
→ 「住民税の申告」が必要だし、(「88超+10-65-33=1円以上」となるから)
「扶養控除」から外れちゃう!(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
- 「A」のバイトの収入が「93万円」超過なら・・・
→「住民税の申告」が必要だし、(「88超+10-65-33=1円以上」となるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要が出てくる!(課税所得が1円以上になるから)
- 「A」のバイトの収入が「120万円」以上なら・・・
→「住民税の申告」が必要だし、(「88超+10-65-33=1円以上」となるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要が出てくるし、(課税所得が1円以上になるから)
「国民健康保険」と「国民年金」に加入しないといけなくなる!(収入が130万円以上になるから)
って感じになる。
例②:
「A」という学生に「20万円」の外注費を払ったとする。
この時、
- 「A」のバイトの収入が「65万円」以下なら・・・
→ 何も問題なし!
- 「A」のバイトの収入が「78万円」超過なら・・・
→ 「住民税の申告」が必要!(「78超+20-65-33=1円以上」となるから)
- 「A」のバイトの収入が「83万円」超過なら・・・
→ 「住民税の申告」が必要だし、(「78超+20-65-33=1円以上」となるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要が出てくる!(「83超+20-65-38=1円以上」となるから)
- 「A」のバイトの収入が「103万円」超過なら・・・
→「確定申告」が必要(外注費分の所得税の申告)だし、(給与所得以外の収入が20万を超えてるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要が出てくる!(「83超+20-65-38=1円以上」となるから)
- 「A」のバイトの収入が「110万円」以上なら・・・
→ 「確定申告」が必要(外注費分の所得税の申告)だし、(給与所得以外の収入が20万を超えてるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要が出てくるし、(「83超+20-65-38=1円以上」となるから)
「国民健康保険」と「国民年金」に加入しないといけなくなる!(収入が130万円以上になるから)
って感じになる。
例③:
「A」という学生に「38万円」の記事代を払ったとする。
この時、
- 「A」のバイトの収入が「65万円」以下なら・・・
→ 「住民税の申告」が必要!(「65+38-65-33=1円以上」となるから)
- 「A」のバイトの収入が「65万円」超過なら・・・
→ 「確定申告」が必要(外注費分の所得税の申告)だし、(給与所得以外の収入が20万を超えてるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要がある!(課税所得が1円以上になるから)
- 「A」のバイトの収入が「92万円」超過なら・・・
→ 「確定申告」が必要(外注費分の所得税の申告)だし、(給与所得以外の収入が20万を超えてるから)
「扶養控除」から外れちゃうし、(「合計所得金額」が38万を超えちゃうから)
「所得税」(バイト分)を払う必要があるし、(課税所得が1円以上になるから)
「国民健康保険」と「国民年金」に加入しないといけなくなる!(収入が130万円以上になるから)
って感じになる。
注1:「A」はバイト収入以外の収入がないものと仮定しています
注2:「A」は親の「扶養」に入っていると仮定しています
注3:正確には、「住民税の非課税限度枠」(自治体によって28~35万)ってのがあるから、住民税が「33万」以上になっても、住民税の申告をせずに済むケースがあります↓。
というわけで、「収入がない人」に外注する場合は、外注の金額によって、
- 「住民税の申告」が必要になっちゃう
- 「確定申告」が必要になっちゃう
- 「扶養」から抜けちゃう
- 「国民年金」「国民健康保険」を自腹で払わないといけなくなっちゃう
みたいなことになっちゃうかもだから、注意されたし!
収入がある人(会社員など)に外注する場合
収入がある人(会社員など)に、外注費を払う場合は、絶対に「住民税の申告」が必要になります。
分かりやすいように例を出します↓。
ケース①:
例えば、「B」という会社員(年収300万)に「5万円」の記事代を払ったとする。
この時、
- Bの収入に関わらず・・・
→Bは「住民税の申告」をしないといけない(給与以外の収入が1円以上あるから)
って感じになる。
ケース②:
例えば、「B」という会社員(年収300万)に「20万円」の記事代を払ったとする。
この時、
- Bの収入に関わらず・・・
→Bは「確定申告」をしないといけない(給与以外の収入が「20万円」を超えてるから)
って感じになる。
ケース③:
例えば、「C」という自営業者(年収300万)に「20万円」の記事代を払ったとする。
この時、
- Cの収入に関わらず・・・
→Cは「確定申告」で「雑所得」として「20万円」を申告する必要しなければいけない
※まぁ自営業者なら申告しないといけないことは理解してると思うが。。
って感じになる。
というわけで
「収入がある人」に外注する場合は、絶対に「住民税の申告」は必要になってくるし、
外注金額によっては「確定申告」も必要になってくるから、注意されたし!
まとめ
・収入がない人(学生・無職など)に外注費を払う際でも、「33万円」以内にしないと「住民税の申告」が必要になるので注意(バイト収入が「65万円」を超える場合は、更に低い外注費にしないとヤバイ)
・収入がある人(会社員・自営業者など)に外注費を払う場合は、「住民税の申告」が必ず必要になってしまう。また20万を超えると「確定申告」も必要になってしまう。
おわり
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