個人事業主はじめたての頃は、「事業用のクレジットカードを作れ!」という声をよく聞くと思います。
それは間違ってません。事業用のクレジットカードは絶対に作るべきです。
明細の中にプライベートと事業の支出が混ざってるとわかりにくいので。
ただ、事業用のクレジットカードを作る際は、引き落とし先口座を「プライベート(個人用)」に設定しておきましょう。
つまり
×:事業用のクレジットカード(引き落とし:事業用口座)
ということです。
理由を書きたいと思います。
事業用のクレジットカードの引き落とし口座を 「プライベート(個人用)」にすべき理由
例えば、以下のようなケースを想定します。
- 買ったもの:1,000円の書籍(経費対象)
- 購入日:6月28日
- 支払い方法:クレジットカード(クレジット引き落とし日:翌月3日)
事業用のクレジットカード(引き落とし:事業用口座)な場合
この場合、以下のような仕訳になります。
- 6月28日:(借方)新聞図書費1,000円 / (貸方)未払金1,000円
- 7月 3日:(借方)未払金1,000円 /(貸方)普通預金1,000円
つまり
- 6月28日にクレジットで1,000円の本を買ったけど、代金としてはまだ支払っていないから、「未払金」として仕訳する
- 7月 3日にクレジットの引き落としがあったから、「未払金」を「普通預金」から移動して0になるように仕訳する
という2回の仕訳が必要になります。
「なんで本を一冊買っただけなのに2回も仕訳をしないといけないんだ!」
「めんどくせえよ!」
って思いませんか?
事業用のクレジットカード(引き落とし:プライベート口座)な場合
この場合、以下のような仕訳になります。
- 6月28日:(借方)新聞図書費1,000円 / (貸方)事業主借1,000円
つまり
- 6月28日にクレジットで1,000円の本を買った。代金は事業主に1,000円借りて支払った
という1回で仕訳可能。
こっちのほうが分かりやすいし、めちゃ楽ちん!
やったぜ!
事業用とプライベートの金は分けなくて良い?
「事業とプライベートの口座はきっちり分けないといけないんじゃないの?」と思うかもしれませんが
そもそも、確定申告は「いくら儲けたのか」という一点を知るためにしているに過ぎないので、事業用の金とかプライベート用の金とかどうでも良いのです。
(なぜ「いくら稼いだのか」を知る必要があるかと言うと、その金額を元に「所得税」とか「住民税」を決めるので)
なので、「分けなければいけない」理由は特にないはずです。
ただし、事業規模によっては、
「事業とプライベートの金の出入りはキッチリ分けろ!」
「ややこしいだろ!」
などと言われる可能性がなきにしもあらずなので、詳しくは自分の担当の税務署に訊いて判断してください。
しかし、ネットのどこかの記事で、
- 個人事業主「事業とプライベートの金の出入りを分ける必要があるのか」
- 税務署「事業規模による」
- 個人事業主「じゃあ具体的な事業規模の目安を教えてください」
- 税務署「それは特に既定はない」
みたいな回答をされたよ、という記事を見た気がするので、おそらく大丈夫な気がします・・。
まぁでも、普通に考えて、法人ならまだしも「個人事業主の所得レベルでそんな細かいことは指摘されないんじゃね?」という気がするので、十中八九大丈夫だと思います。
まとめ
・事業用のクレジットカードの引き落とし先口座は「プライベート口座(個人用口座)」にした方が良い(仕訳がしやすいから)
おわり
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